ソライロ・サプリ

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夢千鳥簡単なあらすじ

映画監督の白澤優二郎は女優の赤羽礼奈と事実上の婚姻関係にありながらも、新作を撮る度に主演女優を浮名を流して世間を騒がせていた。そんな白澤が撮る次回作は大正時代を代表する画家、竹久夢二の人生を描いた物語。撮影が続くにつれ白澤は自分と夢二の境界が曖昧になるほど夢二の人生に飲み込まれていく。

白澤(昭和の映画監督)と夢二(大正時代の画家)の世界が行ったり来たりする作品。でもその境目がとてもうまく繋がれている作品でした。

るいくんは昭和時代はバーテンダーの紺野陽平、大正時代は恩地幸四郎の2役を演じます。
 

 

第一幕

プロローグ(幼少期の夢二)

少年時代の夢二(茂次郎)とその家族。箱を抱えた茂次郎を叱りとばす父親。跡継ぎである茂次郎がちまちまと端切れを集めているのが気に入らない。その端切れを囲炉裏の火に捨てる父親。殴る父親から守ってくれるのは姉の松香。松香がもうすぐお嫁に行く事を知らされる茂次郎は驚き家を飛び出す。

鳥居の上に石を乗せると願いが叶うというのを信じて石を投げている茂次郎、迎えに来た松香に「あなたの手は大切なのよ」「いつか大切な人が出来たら優しくしてあげてね」と言われる。

一羽の鳥が現れ舞う。鳥は次第に増え、その真ん中には夢二が。夢二と3人の女たち、東郷、恩地。それぞれがすれ違い、最後にはまた鳥が一羽舞っている。

 

空港~社長室~赤羽の自宅~バー(昭和)

到着口から出てくる白澤監督たち。銀熊賞を授賞した監督を待ち構える記者たち。新人女優小鳥遊ユキとのスキャンダルのインタビューだ。「監督が主演女優を好きにならないといい映画は撮れない」とさらりとかわす白澤。

 

社長室に呼ばれた白澤。スキャンダルで新人女優の売り出し方を清純派から変更しなくてはいけなくなったと咎めつつも、それを逆手に取って次回作の夢二を描いた「夢千鳥」の三人のヒロインのうち二人を赤羽礼奈と小鳥遊ユキにする事を社長が勝手に決めてしまう。

 

赤羽礼奈の部屋で音楽を聞いていると礼奈が帰ってくる。「映画のオファーを何故受けたんだ、降りろ」と怒る白澤。「何故ってオファーが来たから受けただけよ。銀熊賞を取った白澤監督の映画に出てみたいじゃない」とケロっとしている礼奈。怒って部屋を出て行きつけのバーに行く白澤。

 

バーにはオーナーの久本とバーテンダーの紺野がいる。ウイスキーを飲みながら次回の新作映画について話はじめる白澤。

 

港屋(大正)

港屋の店先に立っているのは他万喜と恩地孝四郎。夢二の描いた絵はがきや半衿は人気商品だ。客は次々とやってくるが夢二が絵を描かない為、店に並べる商品がない。その事で口論になり夢二は家を出ていく。

そこに他万喜に恋心を抱いている東郷青児がやってくる。店に並べる品物がないのなら、夢二先生の作品を真似て自分が描くと言い出す。

 

待合~婦人矯風会~港屋(大正)

出て行った夢二は花街にいた。芸者遊びをしている絵描きの仲間たち。菊子と部屋を抜け出す夢二。菊子が「港屋さんで買った」という千代紙を見せると目の色が変わる夢二、それは自分が描いたものではなかったからだ。

他万喜は婦人矯風会で活動している。帰ってきた夢二に千代紙を見せられ顔色の変わる他万喜。怒りにまかせて殴る夢二。愛憎のタンゴ。

 

バー(昭和)

週刊文宝に白澤監督と赤羽礼奈と小鳥遊ユキのスキャンダルが載った。

 

女学校~港屋(大正)

女学校では良き妻となり良き母となる事を教えているが女性の自立に憧れている彦乃は雑誌「青鞜」を隠れて読んでいるのが先生に見つかり怒られる。

彦乃の学友のおとらとしずよは港屋に彦乃の描いた絵を持って行って夢二に見てもらう事を思い付く。

 

楽屋(昭和)

若手俳優、西条湊の楽屋の電話が鳴る。赤羽礼奈とのスキャンダルの件についてでマネージャーはカンカンだ。ヘアメイクの女性にスキャンダルの事を問われ、赤羽を狙っているが赤羽は今でも白澤監督が好きだと湊は言う。

 

画学校~逢引(大正)

夢二の口添えで画学校に編入が決まった彦乃。美人画が描きたいというと学校の先生たちにいい顔をされない。

「何がよくてそれは誰が決めるの?」と口を尖らす彦乃に「絵画展で授賞したり偉い先生の推薦があって決まるんだよ」と教える夢二。「それなら私は夢二先生に教えてもらいたい」と言う彦乃だが「デッサンは基本だから画学校には行った方がいいよ」と優しく話す夢二。

 

祈り~手紙~座礁(大正)

他万喜の手元にはスケッチブックが。その絵を東郷に見せながら「素敵な絵でしょ、これは私がモデルなの」と。自分が夢二の絵の唯一のモデルである事が他万喜の心の支えだった。

 

夢二と彦乃の手紙のやりとり。それはお互いを「山」「川」と別の物に例えた暗号の手紙だった。なかなか会えない二人の愛は盛り上がっていく。

 

他万喜が家に帰ると机の上には一枚の絵が。その絵を手に取ると思わず握り丸めて捨てる他万喜。そこに夢二が帰ってくる。「いい事を思いついたの、彦乃さんをお嫁にもらいましょう。私は子どもたちの母として、あなたの姉としてここで暮らします」「何を言っているんだ、君はどうかしてる」と夢二。

他万喜は彦乃の実家に行き「私の夫のお嫁さんにお嬢さんを下さい」と言う。混乱する彦乃の父親。「私はとうに籍は抜いております、ですから妾や愛人などではなく正式にお嫁さんとして下さい」と頭を下げる他万喜。

 

列車~京都~長崎(大正)

京都に絵の勉強に行くと言って家を出てきた彦乃。二人で駆け落ちをする。京都に息子の不二彦を呼び寄せ「ママゴト遊び」の様な穏やかな家庭を作っていた。不二彦に青い鳥の絵本を読んで聞かせる彦乃。咳こむ事が多くなってくる。

 

画展の為に長崎に行かなくてはいけなくなった夢二。彦乃も付いて行くと言ってきかない。体の弱い彦乃に長崎までの列車の旅は無理だと諭すが付いて来る彦乃。

長崎での画展は成功を納めたが、彦乃は体調を崩し寝たきりになってしまう。彦乃の父親が娘が体調を崩しているのを知り迎えに来て無理矢理連れて帰る。

 

第二幕

撮影所~バー(昭和~大正)

撮影所では「夢千鳥」の撮影をしている。まだお葉役が決まっていない事を社長に詰められバーで飲んだくれている白澤。

夢うつつでいる白澤。いやこれは夢二。二人が交差する。

何人かのモデルを紹介したのに納得のしない夢二に「先生はワガママだ、完璧な女性なんてどこにもいない」と恩地は言う。その恩地の真剣な思いを受けて恩地が紹介する次の女に会ってみる事にする夢二。

 

新たなモデル~本屋~菊富士ホテル~赤羽の自宅~番の鳥達(大正)

ポーズを取っているのはお葉、職業モデルの女だ。筆を動かす夢二。やがて二人は唇を重ねる。

 

本屋の前を通りかかった恩地。そこには夢二と彦乃の5年間の愛の軌跡が書かれた本が売られていた。ショックを受けた恩地は夢二の元を訪れる。

「彦乃さんはまだ生きてるのにこんなのを描いたら可哀想じゃないですか。彦乃さんもお葉さんにも失礼ですよ。それにそういうつもりで(お葉を)紹介したんじゃないのに」と怒りをぶつける恩地。夢二は「彼女は僕の作品の中で生き続けるんだ」と。そこへ帰ってきたお葉も「本を書く事で気持ちが切り替わるんじゃないかしら」とケロッとしている。黙って立ち去る恩地。

 

赤羽の自宅では礼奈と湊がソファーに座っている。キスをしようとする湊だが、「ちょっと飲み過ぎただけよ」とスルリと交わされてしまう。

礼奈と湊、夢二とお葉、他万喜と東郷、夢二と他万喜、それぞれの愛が交差する。

 

菊富士ホテル(大正)

以前モデルをしていた時の学生さんたちがお葉の元を訪れている。「先生はいつもあの窓から外をみているの、こっちの窓の方が桜がよく見えるのになんでかしらね」「そりゃあの病院には彦乃さんが入院してるからだよ」

夢二は帰ってくると学生たちを追い返すと、お葉に着替えてモデルをしろと言う。「この絵のモデルは私?私の事が好き?」不安になるお葉。

 

婦人矯風会~バー~二つの別れ(大正~昭和)

婦人矯風会で人の事ばかりでなく自分の事も考えなくてはと言われる他万喜。

 

バーカウンターに座りお酒を飲みながらぼんやりしている恩地。「新作黒船屋はとても素晴らしい傑作だ、お葉を紹介した事を後悔もしたけれど、あんな素晴らしい作品を生み出すなら…もう何が正しいのかわからなくなった」と久本に話す恩地。

 

お葉は荷物を纏めて出て行こうとしている。「あの絵は私じゃない、誰でもない。私ね、結婚するの。彼はお医者さんで私の事を愛してくれるの。過去を許すではなく、愛してくれるの」とお葉。夢二は止めるが出て行ってしまう。そこに一本の電話が。彦乃の臨終を知らせる電話だった。

 

夢列車(大正~昭和)

列車の中にいる夢二。隣には彦乃が。あの時の駆け落ちの列車の中だ。これは夢か?幻か。幻想の中、人々が現れては去って行く。

青い鳥はどこに?それはもう出会っているはずだ。鳥を探すのではなく卵を大切に暖めなさい。

ついに気付いた白澤。映画も完成し礼奈に感謝の言葉をかける白澤。これから二人で卵を暖めていくのだろう。

 

フィナーレ

カーテン前(劇中歌のジャズアレンジ)

留依、水音、花宮

 

赤い鳥逃げた

和希、娘役

 

待ちましょう

天彩、男役(手羽根)~留依天彩リフト~和希天彩デュエットダンス

 

ロケット

センター亜音、ピックアップ大路、愛海、朝木

 

黒燕尾

 

デュエットダンス(夢路より)

和希・天彩、歌は美風

 

パレード