ソライロ・サプリ

★☆てっぺんのその先の景色へ☆★

6/24

カルトワイン、池袋公演マイ千秋楽です。今日もるいくん最高にカッコよくて強くてイケメンでした!

るいくん演じるチャポさん。詳しい裏家業の事の話は一切してないけど、その過去とか彼の性格とかが舞台を見ててとってもよくわかるのね。気さくに話してるかと思っても根っこの部分は冷たくて非道で。

 

初めてチャポさんとシエロ(桜木)が出会うのは街でチャポさんが座ってタバコを吸ってる時に横に無造作に置いた鞄を金に困ったシエロが盗む所なんだけど、子分に「ボス鞄はどうしましたか?」って言われて初めて盗まれた事に気付くのね。何が入ってる鞄かはわからないけれどチャポさんは慌てずそのままタバコを吸ってる。子分たちが取り返してくるのをちゃんとわかってるから。逃げ回ってるシエロと鉢合わせしたら「ハロー」なんて言って手をヒラヒラと振る余裕のある態度。子分が買ってきたアイスコーヒー飲みながらボコボコにしてるのを高みの見物。シエロの胸元の刺青(マラスというギャングの証)を見て自分と同じマラスから逃げて来た移民だとわかると「アメリカに来て何がしたいんだ?」と尋ねる。「夢を見つけるのが夢だ」というシエロに「食うに困ったらここに連絡しろ」と自分の連絡先を書いた紙を渡す。シエロが無礼な口をきいても一切咎めないし鞄を盗んだ事に対しても大きな声で脅したりもしない。

運よくバイトを見つけたシエロとフリオ。あるクリスマスの日、バイト先のお嬢さんに高級ワインを貰ったシエロはそのワインがコレクターの間では仕入れ値の何十倍にもなっている事を知る。フリオの妹の心臓の手術代が必要な二人はチャポさんにワインを売りに来る。気前よくそのワインを買い小切手を切ってくれるチャポさん。シエロの失礼な喋り方も気に留めず「またお嬢さんに貢いでもらったら持ってこい」と言う。

 

天才的な味覚を持つシエロは安ワインを調合して空瓶に入れリコルクしてチャポさんに大量に売りつけ手術代の全てを稼ごうと考える。本物そっくりなワインを沢山作りチャポの事務所に持って行く二人。だがチャポさんは見ただけでそれが偽造ワインだと見抜き「俺を騙そうとはいい度胸だな」と二人は子分たちにボコボコにされる。チャポさんは偽造ワインを開けて一口飲むと表情が変わり「これはどうした?」「俺が一人で作ったんだ」「ツメは甘いが中身は確かだ、俺の所でワインを作らないか?」とシエロを誘う。シエロはマラスの刺青の入っている自分がいるとバイト先に迷惑がかかるからとフリオの妹の手術代を前借りする事を条件にチャポさんの所に行く事を決める。その話をシエロとフリオがしている時にチャポさんは手術代の小切手を書いてるんだけど、シエロが「俺はチャポの所に行く」って言うと手を止めてギロっと睨むのね。シエロはそれで「チャポ”さん”の所に行く」って言い直すんだけど、そうしたら満足そうに小切手の続きを書くの。自分の子分じゃない時にはタメ語でも全然気にせず喋ってたのにチャポさんの子分に入ると決めた一瞬で「さん」付けしないとダメだという完全なる上下関係を知らしめるというのが凄い怖いなって。

 

あともう一か所。いやもっとあるけど、超ちょう好きなのはもう一か所。

出荷数が少ないはずの高級ワインが大量にカミロ(シエロの偽名)からオークションに出品されている事を怪しんだワインコレクターがFBIに調査を依頼する。カミロの不正を証言したのはフリオだった。フリオはシエロが裁判でチャポの名前を出せば情状酌量で刑が軽くなると考えたからだった。しかしフリオは裁判で「ワインの偽装は全部一人でやった」と言うのだった。

その裁判中に一瞬だけ裁判官とチャポさんが入れ替わるの。チャポさんは裁判官の席からシエロを見下ろしてる。シエロが自分の名前を出さないと確信したチャポさんはニヤっと笑って裁判所から去って行くのね。もうここのチャポさんが一番好き。裁判をしてたのは本当に裁判官なのか?裏で糸を引いてたのはチャポさんだったりするのか?っていうか全てをチャポさんが操っていたのでは?とも取れるこの場面のチャポさんの表情。帽子を目深に被ってツバをスッとなぞってから去って行くんだけどもしかしたらこの裁判の結末まで全てをお見通しだったのかもしれないとすら思わせるチャポさん。

この後のシエロとフリオの面会の場面で「何でチャポの名前を出さなかったんだ」とフリオに尋ねられたシエロは「チャポの名前を出したらワンちゃんと一緒に殺処分だ」って答えるのね。チャポさんの下で10年間偽造ワインを作り続け、完璧な紳士に仕立てあげられ偽名を名乗り経歴を偽りワインのコレクターとしての地位を作ってもらい、その地位を使って大量の偽造ワインを売り捌いたシエロ。でもきっと全部チャポさんの手のひらの上での出来事で。自分がチャポさんの飼い犬でしかない事も裏切ったら容赦なく殺される事もシエロは分かっている。

もしかしたらチャポさんはある程度儲けたら適当な所でトカゲのしっぽを切る事も最初から考えていたのかなとも思う。裁判でブドウ農家の人が「カミロが出品した年のワインは作ってない」って証言するんだけどチャポさんともあろう人が作ってない年のワインを偽造させると思わないんだよね、だって瓶を見ただけで偽造ワインを言い当てる人だよ?ワインにめっちゃ詳しいのにそんな初歩的なミスをすると思えないんだよ。あと「カミロはワインの空き瓶を家に送っていた」「家から大量のレシピが見つかった」っていう証言されるんだけど、これももしかしたらチャポさんの仕業かな?って。大量のワインを個人宅で作ってるわけないだろうし、何ならその証言した人がチャポさんの手の内の人なのかもしれない。

 

って考えてると無限にチャポさんの事を妄想できる。まず左手の薬指だけでもきゅんきゅんしてるのでね。梅田公演もしっかりきゅんきゅんさせてもらおうと思います。

 


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